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veQi /xQiとは

本記事では、Avalanche C-Chain上のDeFi、BENQI FinanceエコシステムのveQi /xQiついて記載しています。veQi、xQi、リキッドステーキングの深堀り、課題点について解説しています。

目次

veQiとは?


BENQIリキッドステーキングの裏側

BENQIリキッドステーキングでは、ユーザーはAVAXを預け、sAVAXを受け取り様々なDeFiでそれを活用可能になりますが、預かったAVAXはどう扱われているのでしょうか?
 
ユーザーから預かったAVAXトークンはAvalancheバリデータにデリゲートされています。sAVAXに追加される利回りは実際には、バリデータ収益からデリゲート手数料、プロトコル手数料を引いたものです。
 
従って、ソロステーキング、デリゲートと比べると利回りは低くなってしまいますが、取引所に流動性がある限りロック期間不要でいつでも売却できる点、DeFiでの二次利用可能な点などがメリットです。

BENQIのデリゲーション構造

BENQIリキッドステーキングで預かったAVAXは、以下の2つのプールに分配され、チームの裁量で各プールの分配割合が決まっています。
将来的にはQiトークンの投票により分配割合の変更が可能になります。

オープンプール(65%)

オープンプールのAVAXは、次の最低要件を満たす全てのAvalancheバリデータにランダムに分配されます。
最低要件:
  • 6000AVAX以上のステーキング
  • 2%のデリゲーション手数料

veQiプール(35%)

veQiプールのAVAXは、次の最低要件を満たす全てのAvalancheバリデータにveQiの投票結果に従って分配されます。
 
最低要件:
  • veQiホルダーであること
  • 2000AVAX以上のステーキング
  • 2~5%のデリゲーション手数料

veQiとは?

Qiトークンをステーキングして得られるトークン

veQiとは、BENQIリキッドステーキングで預かったAVAXのうち、veQiプールについてのデリゲート先を決めるもので、Qiトークンのステーキング後、時間の経過とともに増加します。

Avalancheバリデーターに投票できる

上図の様に自分の投票力を委任したいNodeIDを指定してAVAXのデリゲート先に投票できます。
応援したいプロジェクト、サブネットの運営するノードに投票してみるのも面白いでしょう。
 
※veeFinanceというレンディングのLPトークンに同名のveQiトークン(こちらはERC-20)が存在しますが、全く異なるものなので注意しましょう。

veQiで収益を獲得できる

veQiの投票で自身の運用するノードに投票すれば設定したデリゲート手数料に応じてAVAXで利回りを獲得可能です。CHAOSLABSのダッシュボードを利用すれば自身の運営するバリデータの利回りを最大化する枚数比率を計算できます。
 
次の章では簡単にveQiの恩恵を受けられるサービス xQiの解説していきます。

veQi付与について・注意点

veQi付与スピード

1Qiトークン当たり最大100veQiまで獲得可能で、veQiは約10か月経過すると最大に達します。
以下の表を参考にしてください。
veQi/秒0.000003888888888888
veQi/日0.3359999999999232
veQi/月10.079999999997696

Qiステーキング解除時の注意点

Qiトークンのステーキング解除時には蓄積したすべてのveQiが失われます。
ステーキングしたQiトークンの一部をステーキング解除した場合や、後述のxQiを利用する際にもすでに獲得したveQiは引き継がれない点にも注意が必要です。

xQiとは?

xQiの概要

xQiとは、VectorFinanceの運営するQiトークンのステーキングサービスで、ユーザーがバリデーター運用の知識を必要とせずにQiトークンからsAVAX報酬を獲得できる点が最大の特徴です。
 
VectorFinanceとはについてはこちらの記事をご覧ください。 ▶VectorFinanceとは

xQiの仕組み

ユーザーはQiトークンをステーキングすると、xQiトークンを受け取ります。ユーザーの預けたQiトークンはVectorFinanceが集約し、裏側では前述の様にQiトークンのステーキングを行います。
VenctorFinanceは自身で運用するノードにveQiの投票力を使用し、デリゲートを通じてAVAX報酬を獲得します。獲得したAVAXはsAVAXの形でxQiトークンステーカー、LVTXステーカー、ノード管理費に分配されます。

xQiのメリット

最大のメリットは、バリデータ運用の必要なしにQiトークンに利回りが発生する点です。
xQiトークンはERC20で配布されるため、ユーザーはxQiトークンをDEX(TraderJoe)で売買できます。veQiの単体運用ではアンステーキングの際に全てのveQiが失われていましたが、こちらは柔軟に出入りが可能です。
 
スワップする際はこちらの記事を参考にしてください。

xQiのデメリット

xQiのデメリットは、xQi-Qiプールのデペグによる価格差が考えられえます。しかし前例の無い仕組みですので、価格の予想が難しく利用する際には注意が必要です。
また、xQi-Qiプールの流動性の厚みには注意が必要です。十分な流動性が無ければスワップで大きな損失が発生する可能性もあります。

考察・予想される課題点

TVL増加の遅さ

前述のように、veQiの蓄積が最大になるまでには10カ月が必要です。既にステークされveQiを蓄積しているQiトークンに加え、xQiの利回り増加により新規xQiステーカーの増加が見込まれます。xQiの利回りはxQiステーカー間で均等に分配されるため、個人でバリデータを運用し、veQiを運用しているQiホルダーと比較すると、xQiのsAVAX利回りは低く推移するでしょう。 また、低利回りが長期化し、TVLの伸びにも時間を要するでしょう。ただし、VTXトークンの排出により利回りがカバーされるため心配する水準ではないかもしれません。

VectorFinanceのAVAXの確保

Avalancheのデリゲートでは、ステークされたAVAX量の4倍までしかデリゲートできません。従って、xQiをスケールさせるためにはステーク用のAVAXをVectorFinanceが確保する必要があります。
GoGoPoolや、BENQI Igniteなどのステーキング要件を軽減するサービスを活用してAVAXの必要量を減らす工夫が必要でしょう。

まとめ

ここまでveQi /xQiについて解説してきましたが いかがだったでしょうか?
ざっくりと振り返ると、、、
  • veQiとは、BENQIリキッドステーキングの裏側でAVAXのデリゲート先を制御するもの。
  • xQiとは、veQiをより扱いやすくするためにVectorFinanceが提供するトークンです。
BENQI Financeは、Avalanche最大の特徴であるサブネットと非常に関わりの深いDeFiですので、BENQIエコシステムの動向は要注目です。
 
今回の記事はここで終了です。ここまでご拝読ありがとうございました。
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